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TORINO CARSのブログをご覧頂きまして誠にありがとう御座います。

販売車両であり、先日ブログにて入庫のご案内をさせて頂きました『M.TEC.サージョン様OH歴あり メンテナンス箇所多数 無限マフラー装備 HONDA BEAT VerF』ですが、販売前メンテナンスを実施致しましたので、作業の様子をご紹介しております。

※車両の概要はこちら ⇒ BEAT VerF入庫しました

前回までボディーの状態確認及び清掃の様子をご紹介致しましたが、今回は【エンジンルーム状態確認編】として、エンジンルームのチェック及び清掃、プラグ確認、点火時期確認、アイドリング回転数調整、デストリビューター確認、アクセルワイヤー調整の様子をご紹介致します。

※外装清掃の様子はこちら ⇒ BEAT VerFメンテ外装清掃
※内装清掃の様子はこちら ⇒ BEAT VerFメンテ内装清掃
※錆確認の様子はこちら ⇒ BEAT VerFメンテボディー確認①
※フロント確認の様子はこちら ⇒ BEAT VerFメンテボディー確認②
※リア確認の様子はこちら ⇒ BEAT VerFメンテボディー確認③

今回ご紹介致しますエンジンルームにおける状態確認ですが、BEATにおける大きな魅力の一つに高回転まで元気に回るエンジンがあり、そのエンジンの状態を把握することは充実したBEATライフを送る上で大変重要なことであると考えております。

従いまして、エンジン内部の状態に関しては容易に確認することができませんので次回にご紹介致しますブローバイガスの状態確認や音、振動、フィーリングから推測することとなりますが、少なくともエンジンルームにおいて目に見える部分や取り外して確認できる部分、補器類に関しては自分の目で確認し、交換が必要な部品は交換を行い、調整できる部分は調整を行った上でご納車させて頂きたいと考えていることから、必ずエンジンルーム内の確認及び各種調整作業を行ってから販売させて頂いている次第で御座います。

尚、BEATにおいてはエンジンの性能に直結する点火時期やアイドリング回転数をはじめ調整可能なパラメーターがございますが、弊社に入庫した時点で規定値からズレてしまっている車両も多いため、お客様にBEATのエンジンが本来持つ性能を味わって頂くべく、上記2項目においては必ず確認と調整を行った後にご納車をさせて頂いております。

では、早速エンジンルームの確認作業に入りますが、まずは幌スクリーンのファスナーを外した上で幌後部の固定ボルト6本を外して幌とスクリーンをめくり、マットを車外に出しますとエンジンルームにアクセスするためのメンテナンスリッドが現れます。

因みに、本車両はステンレス製のキャメルバーが装着されていることに加え、オープン時に室内への風の巻き込みを抑えてくれるTOYOTA MR-S純正ウィンドウリフレクターも装着されております。

更に、劣化が現れやすいリアトレーフロントマットの劣化も見られず大変綺麗な状態です。

細かい部分ではありますが、こういった劣化が少ない綺麗なパーツが組み合わされることで車両全体におけるヤレ感というものがかなり軽減されます。

ここでメンテナンスリッドを外す前に、本車両はもともと汚れが大変少ない状態ではあるものの、汚れが溜まり易い室内側の奥をはじめリアトレイ廻りを改めて隅々まで清掃を行います。

通常は、この奥まった部分は汚れが多く溜まっているのですが、本車両は一度清掃しておりますので清掃前でもかなり綺麗な状態です。

これで、リアトレイ廻りが更に綺麗な状態になりました。

続いて、メンテナンスリッドを取り外してエンジンルーム内の確認へ入ります。

ホコリは付着しておりますが、プレッシャーレギュレーターやステー、ホースプランプ類などを見ても錆が少ないことが見てすぐにわかります。

ここで、ヘッドカバーやシリンダーヘッドなどからオイル漏れ、滲み、エアコンベルトやジェネレーターベルトの状態、張りに問題無いか、ゴム類に過度な劣化や亀裂等がないかなど、全体的に目視及び手感によるチェックを致しますが、特に気になる点は無く、状態は大変良好と言えます。

因みにで御座いますが、2010年6月（走行距離22,000km）時にM.TEC.サージョン様によるエンジン、ミッション関連のOH歴（ピストンはオーバーサイズピストン組み込み）があることに加え、2018年9月（78,500km）時にオルタネーター交換、2019年6月（86,600km）時にエアコン関連OH（R134aレトロフィット）、またBEATでは懸案事項となるタイミングベルトに関しては2020年4月（92,100km）時に交換済み、そしてエンジンマウント4点及びクラッチ一式が2021年5月（97,800km）時に交換済みとエンジン関連のメンテナンスもバッチリです。

上記メンテナンスの効果はしっかりとエンジンのフィーリングや力強さ、音に現れており、大変調子の良いパワートレインとなっております。

一通り確認致しましたら、続いてホコリを落とすために清掃を行います。

ヘッドカバーやエアクリーナーBOX及びダクト、樹脂パーツ、ホース類、ハーネス類などの汚れやホコリをクリーナーを用いて手拭きで清掃していきます。

これで大変綺麗なエンジンルームになりました。

エンジンヘッドカバーが大変綺麗な状態であることも、間違いなくOHされている証の一つかと存じます。

加えて、エンジンマウントが交換されていることも固定ボルトが新品に交換されていることからわかりますね。

エンジンマウント交換の効果は大変大きく、実際の乗り味としても、エンジンが滑らかに回るフィーリングを確実に感じることができます。

清掃が終わりましたら、続いてスパークプラグの点検に移ります。

スパークプラグは、焼け色や状態を確認することで、燃焼室内部の異常や、インジェクターのトラブルなどを発見することができる重要なバロメーターであり、摩耗状態などを見ることで今後のメンテナンス情報として役に立ちます。

本車両のプラグはNGK製の熱価6番プラグが装着されており、状態としましても、3本共に中心電極、側方電極共に摩耗等問題無く、ガイシ部分の焼け色も良好ですので、エンジンの燃焼状態が良好であることがわかります。

もちろん、イリジウムプラグに交換の後にご納車も可能でございますので、お気軽にお問い合わせ下さいませ。

確認が終わりましたらプラグの取り付けを行いますが、BEATのシリンダーヘッドはアルミ製でオーバートルクはネジ山を舐めて取返しの付かないことになってしまいますので、しっかり規定トルクの27.5N・mで締め付けを行います。

スパークプラグの状態確認が終わりましたら、続いて点火系繋がりであります、エンジン点火時期の確認を行います。

以降の作業であります、エンジン点火時期確認、デストリビューター状態確認、アイドリング回転数調整は、2021年の前回販売当時には作業内容として入れていなかった作業ですので、今回しっかりと確認を行います。

エンジンにおける点火時期というのは、スパークプラグで点火するタイミングのことで、燃焼状態を司り、エンジンが本来持つエンジンパワーを引き出す為の大変重要なファクターであります。

点火時期が遅すぎると本来のパワーを発揮できず、早すぎると異常燃焼（ノッキング等）の発生によりエンジンの耐久性にも影響を及ぼしてしまうので、点火時期はメーカーが規定した適切なタイミングである必要があります。

尚、BEATにおける点火時期の確認はミッションケース上部にあるゴムキャップを外して行うことになりますが、確認方法としては、点火時期補正が入らない様にエンジンを十分に暖めた状態（ラジエターファン2回作動後）でサービスカプラを短絡させて、アイドリング回転数にてタイミングライトを用いて確認を行います。

上の写真が確認結果でございますが、ミッションケースから出ている針とフライホイールの点火マーク（赤い線）がピッタリと一致しており、規定の点火時期となっていることが確認できました。

もちろん点火時期だけではありませんが、本車両のエンジンのフィーリングが大変良好であるのはこういった一つ一つの要素が規定値となっていることも一つの要因であることは間違いありません。

点火時期の確認に続いては、同じく点火系繋がりでありますデストリビューターの状態確認を行います。

BEATにおける弱点ポイントの一つであり、内部の錆が進んでしまいますとデストリビューターがロックしてしまい、タイミングベルト切れを引き起こしてしまう為、デストリビューターのキャップを取り外して内部を確認します。

結果は、やはり錆も大変少なく状態は良好です。

状態が問題無いことが確認できましたので、今後のトラブル予防の観点からキャップ側にある接点も清掃を行った上でもとに戻します。

これでデストリビューターに関しても安心です。

続いてはアイドリング回転数の調整を実施致します。

本車両は、エンジンを空ぶかしなど行うと一旦1000r/min程度まで下がってなかなか規定値の1200r/minまで上がってこないという状態でしたので、作業手順に従って調整作業を実施致しました。

調整方法としては、エンジンが十分に暖まった状態（ラジエターファン2回作動後）且つ、無負荷状態でEACVのカプラーを外し、アイドルスクリューバルブにてエンジン回転数が850r/minとなる様に調整します。

因みに、調整前は700r/min程の回転数を指しておりましたので、規定値の850r/minに調整致します。

調整ができましたら、EACVカプラを接続し、ECUヒューズ（ヒューズBOX真ん中の7.5Aヒューズと一番上の15Aヒューズ）を抜いてECUのメモリをリセットした後に、再度エンジンを始動し、無負荷状態、ヘッドライトON（ハイビーム）状態、エアコンONの状態それぞれでアイドリング回転数が規定値の1200±50r/minとなっていることを確認できましたら作業は完了となります。

これで、アイドリング回転数は1200r/minで安定するようになりました。

尚、通常は最後にアクセルワイヤーの張りを調整を行いますが、本車両は2021年の販売時に調整済みで、遊び量に変化が無く適正値でしたので、今回は調整は実施いたしませんでした。

これにて、エンジンルーム内の確認及び清掃、そして各種調整作業は完了ですので、メンテナンスリッドを元に戻し、清掃したトランクマットを敷いて幌も元に戻せばエンジンルームにおける一連の作業は全て完了となります。

以上、エンジンルーム内の状態確認及び清掃、そしてプラグや補器類の状態確認、点火時期確認、アイドリング回転数調整等を行って参りましたが、本車両におけるエンジンルーム内の各部状態が大変良好であることが改めて確認できました。

これで、ご納車後も安心して気持ち良くお乗り頂けることかと存じます。

続いては、エンジン関連確認の続きの作業で、エンジンの健康状態を計り知る為の一要素であるエアクリーナーケース内のブローバイガスの状態確認及びエアクリーナーエレメントの状態確認作業となりますが、作業の様子は次回にご紹介致します。

では、失礼致します。

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