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カスタマイズ多数 エアコンR134a/ECU OH/メーターOH/外装オールペンなどメンテ多数 HONDA BEAT 販売前メンテナンス エンジンルーム状態確認
TORINO CARSのブログをご覧頂きまして誠にありがとう御座います。
先日ブログにて入庫のご案内をさせて頂きました『カスタマイズ多数 エアコンR134a/ECU OH/メーターOH/外装オールペンなどメンテ多数 HONDA BEAT』ですが、販売前メンテナンスを実施致しましたので、作業の様子をご紹介しております。
※車両の概要はこちら ⇒ HONDA BEAT入庫しました
前回までボディーの状態確認及び清掃の様子をご紹介致しましたが、今回は【エンジンルーム状態確認編】として、エンジンルームのチェック及び清掃、プラグ確認、点火時期確認、アイドリング回転数調整、デストリビューター確認、アクセルワイヤー調整の様子をご紹介致します。
※外装清掃の様子はこちら ⇒ BEATメンテ外装清掃
※内装清掃の様子はこちら ⇒ BEATメンテ内装清掃
※錆確認の様子はこちら ⇒ BEATメンテボディー確認①
※前後ボディー確認の様子はこちら ⇒ BEATメンテボディー確認②
今回ご紹介致しますエンジンルームにおける各機能の状態確認ですが、BEATにおける大きな魅力の一つに高回転まで元気に回るエンジンがあり、そのエンジンの状態を把握することは充実したBEATライフを送る上で大変重要な事と考えております。
エンジン内部の状態に関しては容易に確認することができませんので次回にご紹介致しますブローバイガスの状態確認から推測することとなりますが、少なくともエンジンルームにおいて目に見える部分や取り外して確認できる部分、補器類に関しては自分の目で確認し、交換が必要な部品は交換を行い、調整できる部分は調整を行った上でご納車させて頂きたいと考えております。
因みに、BEATは現代の車とは違い、エンジンの性能に直結する点火時期やアイドリング回転数をはじめ調整可能なものがある為、お客様にBEATのエンジンが本来持つ性能を味わって頂くべく、弊社では必ずエンジンルーム内の確認及び各種調整作業を行ってから販売させて頂いている次第で御座います。
では、早速エンジンルームの確認作業に入りますが、まずは幌スクリーンのファスナーを外した上で幌後部の固定ボルト6本を外して幌とスクリーンをめくり、マットを車外に出しますとエンジンルームにアクセスするためのメンテナンスリッドが現れます。
ここで一つ確認できることですが、リアトレーフロントマットがほぼ新品状態であることがわかります。
BEATでは、このリアトレーフロントマット上部の樹脂部分の劣化が進んでいることが多いですが、本車両は全く劣化が無く、黒々としており気持ち良いです。
また、メンテナンスリッドを外す前に、本車両はもともと汚れが大変少ない状態ではあるものの、汚れが溜まり易い室内側の奥をはじめリアトレイ廻りを隅々まで清掃を行います。
通常は、この奥まった部分は汚れが多く溜まっているのですが、本車両はかなり綺麗な状態です。
前オーナー様が徹底的に室内を綺麗にしたと仰っておりましたが、本当に隅々まで清掃なさったことが伺えます。
これで、リアトレイ廻りが更に綺麗な状態になりました。
清掃に続いて、メンテナンスリッドを取り外してエンジンルーム内の確認へ入ります。
ホコリは多く付着しておりますが、プレッシャーレギュレーターやステー類などを見ても錆が少ないことが見てすぐにわかります。
ここで、清掃前にヘッドカバーやシリンダーヘッドなどからオイル漏れ、滲み、エアコンベルトやジェネレーターベルトの状態、張りに問題無いか、ゴム類に過度な劣化や亀裂等がないかなど、全体的に目視及び手感によるチェックを致しますが、特に気になる点はございません。
また、マップセンサーだけホコリの付着が少ないので、もしかするとマップセンサーは最近時に交換されているのかもしれません。
一通り確認致しましたら、続いてホコリを落とすために清掃を行います。
ヘッドカバーやエアクリーナーBOX及びダクト、樹脂パーツ、ホース類、ハーネス類などの汚れやホコリをクリーナーを用いて手拭きで清掃していきます。
大変綺麗なエンジンルームになりました。
清掃時に気付いたことと致しましては、エンジンマウントの固定ボルトが新しいものに交換されている為、整備記録簿としては残っておりませんが、恐らくエンジンマウントが交換されていると考えられます。
清掃が終わりましたら、続いてスパークプラグの点検に移ります。
スパークプラグは、焼け色や状態を確認することで、燃焼室内部の異常や、インジェクターのトラブルなどを発見することができる重要なバロメーターであり、摩耗状態などを見ることで今後のメンテナンス情報として役に立ちます。
本車両のプラグはNGKの熱価7番のイリジウムMAXプラグ(ロングライフタイプ)が装着されており、状態としましても、3本共に中心電極、側方電極共に摩耗等問題無く、ガイシ部分の焼け色も問題ありませんので、エンジンの燃焼状態としても問題無いことが伺えます。
尚、プラグの状態及びイリジウムMAXはロングライフプラグであることから、まだまだ問題無く使用できると考えられますので、そのまま継続使用することと致します(オプション作業として交換させて頂くことは可能ですのでお気軽にお申し付け下さいませ)。
確認が終わりましたらプラグの取り付けを行いますが、BEATのシリンダーヘッドはアルミ製でオーバートルクはネジ山を舐めて取返しの付かないことになってしまいますので、しっかり規定トルクの27.5N・mで締め付けを行います。
スパークプラグの状態確認が終わりましたら、続いて点火系繋がりであります、エンジン点火時期の確認を行います。
エンジンにおける点火時期というのは、燃焼状態を司り、エンジンが本来持つエンジンパワーを引き出す為の大変重要なファクターであり、点火時期が遅すぎると本来のパワーを発揮できず、早すぎると異常燃焼(ノッキング等)の発生によりエンジンの耐久性にも影響を及ぼしてしまうので、点火時期はメーカーが規定した適切なタイミングである必要があります。
尚、点火時期の確認はミッションケース上部にあるゴムキャップを外して行うことになりますが、確認方法としては、点火時期補正が入らない様にエンジンを十分に暖めた状態(ラジエターファン2回作動後)でサービスカプラを短絡させて、アイドリング回転数にてタイミングライトを用いて確認を行います。
結果は、ミッションケースから出ている針とフライホイールの点火マーク(赤い線)が少しズレてしまっている状態で、点火時期が遅角状態(本来の規定点火時期よりも遅いタイミングで点火をしている状態)であることがわかります。
遅角状態はエンジンの耐久性には影響を及ぼさないものの、BEATのエンジンが持つ本来の性能を発揮することができていない状態ですので、きっちりと規定の点火時期となる様にデストリビューターの位置を調整致します。
上の写真が調整後ですが、ミッションケースから出ている針とフライホイールの点火マーク(赤い線)がきっちりと合っておりますので、規定点火時期に調整完了です。
これで、BEATのエンジンが持つ本来の性能をお楽しみ頂けるかと存じます。
点火時期の確認に続いては、デストリビューターの状態確認を行います。
デストリビューターは内部の錆の状態が懸案事項ですので、デストリビューターキャップを取り外して内部を確認します。
結果は、錆も大変少なく状態は良好です。
また、状態確認にあわせて、トラブル予防のためにキャップ側の接点清掃も行っておきます。
これでデストリビューターはOKですので、続いてはアイドリング回転数の調整を実施致します。
本車両は、基本的に規定値の1200r/minでアイドリングが安定している状態でしたが、自分の手できっちりと調整作業を行いたい為、改めて作業手順に従って調整作業を実施致しました。
調整方法としては、エンジンが十分に暖まった状態(ラジエターファン2回作動後)且つ、無負荷状態でEACVのカプラーを外し、アイドルスクリューバルブにてエンジン回転数が850r/minとなる様に調整します。
調整ができましたら、EACVカプラを接続し、ECUヒューズ(ヒューズBOX真ん中の7.5Aヒューズと一番上の15Aヒューズ)を抜いてECUのメモリをリセットした後に、再度エンジンを始動し、無負荷状態、ヘッドライトON(ハイビーム)状態、エアコンONの状態それぞれでアイドリング回転数が規定値の1200±50r/minとなっていることを確認できましたら作業は完了となります。
アイドリング回転数の調整に続いては、エンジンルームにおける最後の作業として、アクセルワイヤーの張りを調整します。
遊びが規定値よりも大きくなっておりましたので、張りを規定値に調整致しました。
遊びの部分が少なくなることで、BEATならではのレスポンシブルでダイレクトなアクセルワークをより味わうことが出来る様になります。
これにて、エンジンルーム内の確認及び清掃、そして各種調整作業は完了ですので、メンテナンスリッドを元に戻し、清掃したトランクマットを敷いて幌も元に戻せばエンジンルームにおける一連の作業は全て完了となります。
以上、エンジンルーム内の状態確認及び清掃、そしてプラグや補器類の状態確認、点火時期調整、アイドリング回転数調整等を行って参りましたが、本車両におけるエンジンルーム内の各部状態が大変良好であることが確認できました。
各作業実施後に試走を行うのですが、点火時期を規定値に調整した効果で、もともと軽いエンジンの吹け上がりが、更に軽く力強くなりました。
これで、ご納車後も気持ち良くお乗り頂けることかと存じます。
続いては、エンジン関連確認の続きの作業で、エンジンの健康状態を計り知る為の一要素であるエアクリーナーケース内のブローバイガスの状態確認及びエアクリーナーエレメントの状態確認作業となりますが、作業の様子は次回にご紹介致します。
では、失礼致します。
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