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TORINO CARSのブログをご覧頂きまして誠にありがとう御座います。

この度、入庫致しました『走行距離29,000km ハルテックフルコン 20周年モデューロサスペンション TE37 RECAROなど希少パーツ多数 HONDA BEAT』ですが、販売前メンテナンスを実施致しましたので、作業の様子を順次ご紹介しております。

※車両の概要はこちら ⇒ HONDA BEAT 入庫しました

前回までボディーの状態確認及び清掃の様子をご紹介致しましたが、今回は【エンジンルーム状態確認編】として、エンジンルームのチェック及び清掃、プラグ確認、アイドリング回転数調整、アクセルワイヤー調整の様子をご紹介致します。

※外装清掃の様子はこちら ⇒ BEAT販売前メンテ外装清掃
※内装清掃の様子はこちら ⇒ BEAT販売前メンテ内装清掃
※錆確認の様子はこちら ⇒ BEAT販売前メンテボディー確認①
※フロント確認の様子はこちら ⇒ BEAT販売前メンテボディー確認②
※リア確認の様子はこちら ⇒ BEAT販売前メンテ ボディー確認③

エンジンルームにおける各機能の状態確認は車両の状態を把握する上で重要なパラメーターであり、当然ですが全ての機能が問題無く動作してはじめて本来の性能を発揮します。

例えばエンジンに関しては、スパークプラグが本来の火花性能を持っていなかったり、点火時期が適正なタイミングでないなど、何か一つの機能が劣化及び適切な状態でないと、本来の性能を発揮することができません。

そこで、エンジン内部の状態は目で見ることができませんので次回にご紹介致しますブローバイガスの状態確認から推測することとなりますが、少なくともエンジンルームにおいて目に見える部分に関しては自分の目で確認し、交換が必要な部品は交換を行い、調整できる部分は調整を行った上でご納車させて頂きたいと考えております。

因みに、BEATは現代の車とは違い、エンジンの性能に直結する点火時期やアイドリング回転数をはじめ調整可能なものがある為、お客様にBEATが本来持つ性能を味わって頂くべく、弊社では必ずエンジンルーム内の確認と、各種調整作業を行っている次第で御座います。

ということで、早速エンジンルーム確認作業に入りますが、スクリーンのファスナーを外した後に、幌後部の固定ボルトを6本を外して幌とスクリーンをめくり、マットを車外に出しますとエンジンルームにアクセスするためのメンテナンスリッドが現れます。

因みに、TOYOTA MR-Sのウィンドウリフレクターが付いているリアトレイフロントマットですが、樹脂部分が日焼けによる劣化でボロボロの車両も多いですが、本車両は大変綺麗な状態を保っております。

マットの綺麗さや質感から推測するに、恐らく新品に交換されていることが予想され、前オーナー様がこういった部分までしっかりとメンテナンスしていたことが伺えます。

続いて、メンテナンスリッドを外す前に、汚れが溜まり易い室内側の奥をはじめリアトレイ廻りを隅々まで清掃を行います。

これでリアトレイ廻りが綺麗になりましたので、続いてメンテナンスリッドを固定している4本のボルトを緩めて車外に出し、エンジンルーム内の確認へと入ります。

あけてすぐに目に入るのはダイレクトイグニッションコイルですが後述すると致しまして、まずはヘッドカバーからオイル滲みが無いか、何か部品の外れや欠損がないか、あるべきところにある部品がちゃんとあるか、交換されている部品があるか、ゴム部品の状態は問題無いか、過度な錆は無いか・・・等を確認します。

結果、特に問題となる箇所は無く、EACVが新品に交換されているなど、錆が少なく綺麗なエンジン廻りです。

一通り確認を致しましたら、続いて清掃を行います。

濡れたタオルと、エンジンルーム用クリーナーを用いて、手作業で手の届く範囲を清掃します。

これで綺麗なエンジンルームになりました。

エンジンルームの確認と清掃が終わりましたら、続いてスパークプラグの点検に移りますが、その前に本車両における大きな特徴の一つであるダイレクトイグニッションのご紹介をしたいと思います。

通常のBEATでは、プラグコードが装着されている部分に、写真の様にダイレクトイグニッションコイルが装着されております。

ヘッドカバーには取り付けボスもちゃんとたっており、ダイレクトイグニッションコイルも綺麗に装着されておりますので、同じエンジン形式であるアクティーの部品を流用していると思われ、違和感が全く無く綺麗に取り付けされております。

また、配線も綺麗に配策がされており、取り付けた作業を行った方の丁寧な仕事ぶりが伺えます。

ちなみに、BEATにおけるダイレクトイグニッション化には2点のメリットがあります。

１点目は、ダイレクトイグニッション化によりプラグコードでは不可避の電圧降下を抑えることができ燃焼改善による性能向上

２点目は、BEATの弱点の一つであるデストリビューター固着によるトラブル回避

更に、本車両はこのダイレクトイグニッション化とハルテックのフルコンにより、燃調や点火時期もセッティングされており、純正状態よりも更に性能が向上しております。

この車両は明らかに通常のビートよりもエンジンが力強く、中間加速もまるで車両が50kg程度軽くなった様に感じる程軽快なのは、間違いなくハルテックフルコン＋ダイレクトイグニッション化の効果です。

因みに、ハルテックのフルコンにより、吸排気等の仕様変更を行った際には改めてセッティング作業が可能となります。

ということで、ご紹介はこのぐらいにして、ダイレクトイグニッションコイルを外し、プラグの状態確認を行います。

装着されておりましたプラグは熱価6番のNGKグリーンプラグが装着されておりましたが、中心電極やガイシの状態からも、エンジンの燃焼状態が良好であることがわかります。

本プラグに関してはまだ使用可能な状態ではありますが、せっかくのダイレクトイグニッションやハルテックの効果を最大限にすべく、NGKのイリジウムプラグに交換することに致しました。

因みに、今回はプラグに番手を7番に一つ上げました。

理由と致しましては、エンジンの力強さから燃焼圧力は純正よりも上がっていると考えられるので、プレイグニッションを予防する観点から純正の6番手から7番手に上げました次第です。

尚、プラグの取り付けに伴いましては、規定トルク（もしくは回転角）での締め付けが必要なポイントですので、しっかり規定トルクで締め付けを行います。

これでプラグもバッチリです。

プラグの交換が終わりましたら、続いてはアイドリング回転数の調整を行います。

本車両は、アイドリング回転数が少し高めの1400r/min程度を示した後に、規定回転数の1200r/minに落ち着くという挙動を示していたので、サービスマニュアルの作業手順に従って調整作業を実施致しました。

調整方法としては、エンジンが十分に暖まった状態（ラジエターファン2回作動後）且つ、無負荷状態でEACVのカプラーを外し、アイドルスクリューバルブにてエンジン回転数が850r/minとなる様に調整します。

調整ができましたら、EACVカプラを接続した後に、ECUヒューズを抜いてECUのメモリをリセットします。

そして、再度エンジンを始動し、無負荷状態、ヘッドライトON（ハイビーム）状態、エアコンONの状態それぞれでアイドリング回転数が規定値の1200±50r/minとなっていることを確認できましたら作業は完了となります。

これで、アイドリング回転数も規定値でビタっと落ち着く様になりました。

最後は、アクセルワイヤーの張りを調整します。

本車両は走行距離も少ないため、それほど過大な遊びがあった訳ではありませんが、アクセルワイヤーの張りを規定値に調整することで、よりレスポンシブルなアクセルワークを味わうことが出来る様になるかと存じます。

これにて、エンジンルーム内の確認及び清掃、そして各種調整作業は完了ですので、メンテナンスリッドを元に戻して、清掃したトランクマットを敷いて、幌も元に戻せばエンジンルームにおける一連の作業は全て完了となります。

以上、エンジンルーム内の状態確認及び清掃、そしてプラグ交換やアイドリング回転数調整等を行って参りましたが、本車両におけるエンジンルーム内の各部状態が良好であることが確認できました。

また、ダイレクトイグニッション化に加え、EACVが交換されていたりと、前オーナー様がこのBEATを大切にされてきたことを感じることができるエンジンルームでした。

繰り返しになりますが、本車両においては状態が良好なだけでなく、ダイレクトイグニッション化やハルテックフルコンによる効果、そして走行距離の少ないエンジンとの相乗効果で、大変魅力的なパワートレインとなっております。

通常のBEATとは一味違うエンジンの更け上がりをお楽しみ頂けましたら幸いに存じます。

次回は、続きの作業と言えるエンジン関連確認作業の一つである【エアクリーナーケース確認編】として、エンジンの健康状態を計り知る為の一要素であるエアクリーナーケース内のブローバイガスの状態確認及びエアクリーナーエレメントの状態確認を実施致しましたのでその様子をご紹介致します。

では、失礼致します。

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