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TORINO CARSのブログをご覧頂きまして誠にありがとう御座います。

この度、神奈川県にお住まいのお客様よりMercedes AMG C63S ステーションワゴン（S205）の室内異音低減作業をご用命頂きましたので、7回に分けて、以下の箇所における異音低減作業の様子をご紹介しております。

①リアシート固定ストライカー
②テールゲートライニング
③C、Dピラーライニング
④運転席ドア
⑤助手席ドア
⑥センターコンソール
⑦助手席側ダッシュボード周辺
⑧運転席側ダッシュボード周辺
⑨オーバーヘッドコンソール
⑩後席センターエアアウトレット
⑪サンルーフ
⑫ヘッドアップディスプレイ

前回は運転席側ダッシュボードにおける異音低減作業の様子をご紹介致しましたが、今回はC63Sにおける最終回として、オーバーヘッドコンソール、後席センターエアアウトレット、サンルーフ、ヘッドアップディスレイから発生していた異音低減作業の様子をご紹介致します。

※テールゲートの作業はこちら ⇒ S205 AMG C63S 異音対策作業その①
※C、Dピラーの作業はこちら ⇒ S205 AMG C63S 異音対策作業その②
※前席ドアの作業はこちら ⇒ S205 AMG C63S 異音対策作業その③
※センターコンソールの作業はこちら ⇒ S205 AMG C63S 異音対策作業その④
※助手席ダッシュボードの作業はこちら ⇒ S205 AMG C63S 異音対策作業その⑤
※運転席ダッシュボードの作業はこちら ⇒ S205 AMG C63S 異音対策作業その⑥

前回までご紹介して参りました箇所における異音は、お客様もお困りとのことでお伺い致しました箇所で御座いますが、今回ご紹介致します部分に関しましては、今までご紹介して参りました箇所よりも異音の発生頻度が少なく、音も小さなものではありますが、より快適にドライブ頂くべく対策作業を行うことと致しました。

では作業のご紹介に入りますが、オーバヘッドコンソールにおける異音低減作業から行います。

このオーバーヘッドコンソールからの異音はW205、S205のCクラスに限らず、W213、S213のEクラス、GLCクラスでも異音の発生している可能性の高い場所です。

まずは、オーバーヘッドコンソールを取り外して内部を確認します。

この様に裸の配線が通っており、振動でオーバーヘッドコンソールに当たって音が出ていると考えられますので、TESAテープで異音が出ない様に対応致します。

また、これは本車両だけだと思いますが、ルーフライニングを固定するフックが外れてしまっており、ルーフライニングが少し動いてしまう状態でした。

オーバーヘッドコンソールはルーフライニングに固定されている状態ですので、これでは異音を助長する形になることに加え、段差通過時などにルーフライニングが動いてしまうことで『ざわざわ』とした感覚も生まれてしまい、これも不快な要素の一つになりますので、しっかりと嵌めておきます。

これで車体側配線の対応はOKですので、続いてはオーバーヘッドコンソール本体の対応を行います。

路面が劣化したザラメ路面の様な道を走行した際に『ビリビリ』とした異音が発生していましたが、オーバーヘッドコンソールについているカバーからの音ですので、取り外して異音処理を致しました。

この部分もW213、S213のEクラス、GLCクラスでも全く同じ構造で音が出ているケースが多いので、気になる方は対応しても良いと思います。

以上でオーバーヘッドコンソールにおける作業は完了ですので、もとに戻して試走しましたところ、無事にオーバーヘッドコンソール部分からの異音は解消致しました。

続いては、後席のセンターアウトレットからの異音を対応します。

このセンターアウトレットからの異音は先日に作業を実施致しましたGLCでも発生していた音で、路面が劣化したザラメ路面の様な道を走行した際に吹き出し口周りのリングから『ビリビリ』という不快な音がします。

そこで、センターアウトレットを取り外した後に、分解して異音が出ない様に対応致します。

この状態で組み上げると、リングのガタは無くなりましたので、車体に取り付けて試走を行います。

結果、センターアウトレットからの異音も解消致しました。

続けてどんどん行きますが、今度はこれもメルセデスでは発生し易いサンルーフからの異音を対応します。

本車両はそれほど大きな音ではありませんが、段差を通過する際になどに『キシキシ』と軋み音がします。

原因の多くはサンルーフの建付けが悪いためであり、本車両も左右で建付けが少し異なっている状態でした。

そこで、建付けの調整を行いますが、当たりを強くしすぎると異音が発生し、弱くしすぎると風切り音が発生してしまうので、走っては調整し・・・を繰り返し、軋み音も風切り音もしない状態に調整を行います。

バシッと調整が決まりましたら、軋み音も無くなり、サンルーフからの異音も解消です。

そして、本車両における最後の異音作業としてヘッドアップディスプレイからの異音対応を行います。

ヘッドアップディスプレイからの異音もメルセデスの定番異音ポイントで、私も何度か対応した経験がございますので、この部分は簡単に対応可能です。

対応としては、カバーを取り外して、当たって音が出ている部分に緩衝材を張り付けて対応致します。

あとはもとに戻せば完了です。

対応前では音が出ていた道を走行しても異音は発生しませんでしたので、これでOKです。

以上で、異音対策作業としては全て完了となりますので、お客様へのお引渡し前の最後の作業として車両の清掃を行います。

以上、ここまで全7回に渡りMercedes AMG C63S ステーションワゴン（S205）における室内異音低減作業をご紹介して参りましたが、今回の実施致しました一連の作業にて、お持ち込み頂いた際には異音のオンパレードでかなり不快な状態だった車両が、本当に見違える様に静かな車になりました。

今回はかなり対応箇所が多く、時間もかかり苦労を致しましたが、お客様にお引渡しをさせて頂き、試走を頂きました際には大変お喜び頂けましたので、疲れも吹っ飛びました。

更には、帰路にて高速道路を長距離移動なさり、神奈川のご自宅に戻られた後に本当にうれしいご連絡を頂きまして、感謝感激です。

お客様のインプレッションがあまりにも的確なので、お客様に同意を頂いた上で掲載させて頂きましたが、特に『ボディーの剛性があがり』『サスペンションが良く動く様になった』という部分はまさに私も感じるところです。

実際にボディー剛性が上がったわけでもなく、サスペンションが動く様になったわけでもありませんが、まさにそのような感覚を味わうことができ、車両の動的質感がかなり上がった様に感じます。

従いまして、異音低減作業は不快な異音を解消するだけでなく、感覚は人それぞれですので断定的なことは言えませんが、繊細な方にとりましては乗り味向上にも一役買ってくれる作業とも言えます。

この度作業をご用命頂けましたS様におかれましては、AMG専用エンジンであるV8ツインターボエンジンの迫力がありながら気持ち良い鼓動や音を存分に味わって頂けましたら幸甚に存じます。

S様、この度は弊社に異音低減作業をご用命頂きまして誠にありがとう御座いました！

ということで、今回の異音対策作業のご紹介はかなりの長編になりましたが、まだまだ施工させて頂きました車両のご紹介が残っている状態ですので、今後におきまして順次ご紹介して参ります。

そして私のブログの内容が、質寧異音でお困りの方がご自身で作業される際に少しでもお役に立てば幸いと考えております。

異音でお困りであるものの『ご自身での作業が難しい』『ご自身で作業したものの解消しない』というお客様におかれましてはお気軽にご相談下さいませ。

必ず解消することをお約束できるものではありませんが、お役に立てる様に最大限の努力をさせて頂く所存で御座います。

では、失礼致します。

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