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ご依頼作業:VOLVO XC90 D5 室内異音低減作業 その④
TORINO CARSのブログをご覧頂きまして誠にありがとう御座います。
この度、東京都にお住まいのお客様よりVOLVO XC90 D5の室内異音低減作業をご用命頂きましたので、4回に分けて、以下の箇所における異音低減作業の様子をご紹介しております。
①助手席側ラゲッジルームライニング内からのビビリ音
②テールゲートからのビビリ音
③テールゲートからの軋み音
④助手席側Aピラー付近からのビビリ音
⑤2列目シート下部からのビビリ音
⑥2列目シート下部からのコトコト音
⑦リア席ドアライニングからのビビリ音
⑧助手席フロントドアポケットからのビビリ音
前回は2列目シート下部及びリアドアからの異音対策をご紹介致しましたが、今回は異音対策作業最後のご紹介として、上記番号⑧にあたる助手席側フロントドアから発生していた異音対策作業の様子をご紹介致します。
※前回の作業はこちら ⇒ XC90異音対策作業その③
今回の助手席側フロントドアに関しては、お客様のお困り事象としまして、『ドアポケットからのビビリ音』というものと、『オーディオの音量を上げた際にドアライニングからビビリ音』と2つの事象で御座いました。
その中で、ドアポケットからのビビリ音は明確に確認できましたものの、オーディオの音量を上げた際のビビリ音は確認できませんでしたので、まずはドアポケットのビビリ音の対応を行います。
このビビリ音はドアを閉める際に『ビーン』と発生しており、ドアを閉める際の質感を下げてしまっておりました。
そこで、ドアポケットの内部を見ますと、アンビエントライトのチューブが通っており、このアンビエントライトチューブを手で抑えながらドアを閉めると全くビビリ音がしなくなることから、このアンビエントライトチューブが原因だとわかります。
このアンビエントライトチューブは非常に見えにくい位置にある為、作業が大変し難く、あまり力を加えてしまうと破損してしまう恐れがある為、アンビエントライトチューブを浮かせてエプトシールによる対策は難しい・・・
さて、どうしようと考えましたところ、あるパーツが頭に浮かびました。
配線を固定する為に使用する『コ』の字のゴムパーツなのですが、これをアンビエントチューブライトに入れ込みましたらちょうど嵌り、アンビエントライトチューブがうまく固定されドアライニング接触しない状態になりました。
早速、この状態でドアの開け閉めを行いましたところ、無事にビビリ音は解消し、ドアを閉めた際の音が『バスッ』と余韻の無い如何にも質感の高いドアの開閉感に改善しました。
これで、確認できましたドアポケット内部からのビビリ音は解決ですが、改めてオーディオの音量を上げてもやはりドアライニングからの音は発生しません
もしかするとお客様の仰っておりました『オーディオの音量を上げた際に助手席フロントドアライニングからビビリ音』もこのアンビエントライトチューブからの発音であった可能性がありますが、ドアパネルの一部を叩くと、かすかにドアライニングから内側からビビリ音が聞こえて参ります。
そこで、ドアライニングを外して、ドア内部を確認することにします。
まず、ドア側を確認致しましたが、メルセデスと違い、しっかりと配線などには異音処理がされており、異音が発生しそうな箇所は見当たりませんし、この状態でドアパネルを叩いてもビビリ音はしません。
続いてドアライニング側を確認します。
ドアライニング側には、ディーラー様が実施した対策の跡が見て取れます。
お客様はディーラーで対策をしてもらったものの改善しなかったと仰っておりましたが、ディーラー様としても『確認できませんでした』では無く、しっかりと対応をしようとした痕跡はあるものの、少し作業がお粗末な様な気もします。。。
因みに、純正の配線はここもしっかりと元々異音対策がしっかりとされており、メルセデスで良くある配線からの異音では無いと考えられますが、念のため、少しでも原因となりそうな箇所は念入りにTESAテープで対応しておきます。
加えて、音量を上げた際にビビリ音が発生するということは、ドアライニングの共振及び振動でドアと接触している可能性が考えられるので、ドアライニングに制振材の貼り付けと、防音材、吸音材を貼り付けることで、ドアライニングの共振を抑えること、ドアとの接触をさせないことをメインで対策を施しました。
この状態でドアライニングを元に戻しましたところ、作業前に小さなビビリ音が発生していた箇所を叩いてもビビリ音は一切しなくなりました。
因みに、この状態で低音が良く響く音楽をかけて目一杯音量を上げましたが、ビビリ音は発生しませんでしたので、これで恐らくOKだと思います。
ということで・・・
ここまで4回に渡り、本車両で発生していた異音対策の様子をご紹介して参りましたが、お客様がお困りでありました事象は無事に全て解消することができました。
この状態で最終確認として少し長距離を走りますと、お持ち込み頂きました際の、色々な部分から発生していたビビリ音などの異音が無くなることで、車体の剛性感の向上が感じられ、明確に動的質感が上がっております。
特にビビリ音が無くなると、車の剛性感は確実に上がった様に感じるので、人間の感覚は不思議なものです。
これで、不愉快な異音から解放された気持ち良いドライブをお楽しみ頂けますと共に、VOLVO XC90が本来持つ、重厚感と剛性感がありながら、しなやかさも兼ね備えたVOLVOらしい乗り味をお客様にも味わって頂けるかと存じます。
これにて、異音対策作業のご紹介は終了となりますが、異音対策とは別にお客様よりウィンドウモールのズレ修正及びドアのチリ合わせもご用命頂いておりましたので、次回にその作業の様子をご紹介致します。
では、失礼致します。