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ご依頼作業:VOLVO XC90 D5 室内異音低減作業 その③
TORINO CARSのブログをご覧頂きまして誠にありがとう御座います。
暑さが大変厳しく、まさに夏本番という今日この頃ですが、先日より、ジャガーE-PACEがボディーガラスコーティング、ホイールコーティング、ウィンドウコーティングの施工で入庫しております。
この度は新車でご購入され、ご納車から間もなくの状態でお持ち込み頂きました。
新車と言えども、塗装面にはくすみや細かい傷がございましたので、ポリッシングからしっかりと行い、お預かりした状態よりも確実に綺麗な塗装面に仕上げて明日にお引渡し予定です。
この綺麗なジャガーで夏休みの余暇を気持ち良くお過ごし頂ける様に、丹誠込めて作業を行っております!
さて、この度、東京都にお住まいのお客様よりVOLVO XC90 D5の室内異音低減作業をご用命頂きましたので、4回に分けて、以下の箇所における異音低減作業の様子をご紹介しております。
①助手席側ラゲッジルームライニング内からのビビリ音
②テールゲートからのビビリ音
③テールゲートからの軋み音
④助手席側Aピラー付近からのビビリ音
⑤2列目シート下部からのビビリ音
⑥2列目シート下部からのコトコト音
⑦リア席ドアライニングからのビビリ音
⑧助手席フロントドアポケットからのビビリ音
前回はテールゲート及びAピラー付近からの異音対策をご紹介致しましたが、今回は上記異音発生箇所の⑤と⑥、⑦にあたる2列目シート下部及びリアドアから発生していた異音対策作業の様子をご紹介致します。
※前回の作業はこちら ⇒ XC90異音対策作業その②
では、早速作業のご紹介に入りますが、⑤と⑥にあたる運転席側2列目シート下からのビビリ音やコトコト音に関しては、お客様が強く改善ごご希望でございました箇所で御座いましたが、ラゲッジルームなどの異音が解消したことで、よりはっきりと聞こえてくるようになっておりましたので、何とか解消すべく作業を進めます。
まずは、2列目シートの構造を観察し、シート横のシートレールガーニッシュ触ると『カタカタ』と動いて音がします。
そこで、まずはこのシート横のガーニッシュを外して異音対策を行います。
固定部分にガタがあったので、ガタを無くす様な施工をします。
これで、ガーニッシュがしっかりと固定されて、音は無くなりました。
その他、異音の原因になりそうな箇所が無いか探ると、シート下のエアコン吹き出し口を少し叩くと『ビーン』とビビリ音がします。
ダクトの接続部分から音がしておりましたので、一度取り外して、こちらも異音対策を行います。
これで手で叩いてもビビリ音は発生しなくなりました。
この状態で一度試走を行いましたところ、対策前に発生していたシート下からのビビリ音は無事に解消致しましたが、やはり大きな段差を乗り越える際には『コトッ』という音が発生したままです。
この『コトッ』という異音は金属的な音ですので、もう一度シートを観察したり、手で動かしたりしておりましたら音の出そうな箇所を発見しました。
本車両は2列目シートを前に倒すことができるのですが、そのキャッチ部分から音が発生しそうです。
しかも、純正状態でもキャッチ部分には緩衝材が巻かれており、既に異音対策がされております。
メーカーとしても、この部分からの異音は把握して対策を行ったのだと考えられますが、走行距離を重ねてこの緩衝材が劣化したり削れたりすることで、シートキャッチ部分が動いて異音が発生したと考え、シートが動いて金属が接触する部分に対策を施しました。
この対策を施した状態で試走を行いましたところ、綺麗さっぱりと2列目シート下からの異音は無くなりました。
お客様が非常にお困りになられていた箇所ですので、この部分の異音が解決して一安心です。
因みに、構造的に同じである助手席側もいずれは発生することが考えられるので、助手席側も同様の対策を施しておきました。
これにて2列目シート下部の異音対策は完了ですので、続いては運転席側リアドアライニングから発生しておりますビビリ音対策を行います。
お客様はひとくくりでリアシートあたりから異音がするというお困り事象でしたが、実際は上記ご紹介致しましたシート下と、運転席側リアドアライニングからもビビリ音が発生しておりました。
そして、このビビリ音はかなり軽量なものが揺れて発生する様な音で、何度かメルセデスなどで経験、対策を行っているアンビエントライト類のガタの音と良く似ております。
そこで、リアドアのガーニッシュに仕込まれているアンビエントライトの状態を確かめる為に、ガーニッシュを取り外します。
そして、アンビエントライトの部分を手で触るとガタがあり、いかにも音が発生しそうです。
また、このアンビエントライト部分にも純正状態でエプトシールが巻かれており、メーカーとしてもこの部分からの異音は把握をして対策をしているのだと思いますが、部品公差や製造公差で不十分だったのでしょう。
そこで、慎重にアンビエントライトを取り外して対策を行います。
そして、対策を行ったガーニッシュを元に戻して、試走を行いましたところ、リアドアライニングからのビビリ音も無事に解消していることを確認できました。
今回ご紹介致しました作業でほぼ一日かかりましたが、お客様のお困り事象の一つでありました、リアシート付近からの異音も全て解消し、本当に快適な車内となりました。
以上、ここまでご紹介して参りました一連の異音対策にて、走行中に発生する室内異音は無くなっておりますものの、お客様が気になると仰っておりました、『助手席フロントドアポケットからのビビリ音』と『オーディオの音量を上げた際に助手席フロントドアライニングからビビリ音』の対策を引き続き行うこととします。
このビビリ音は、走行中は発生しないものの、確かにドアを閉める際にはドアライニングから『ビーン』と少し安っぽい音が出てしまっております。
ということで、助手席側フロントドアの異音対策は次回にご紹介致します。
では、失礼致します。