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ご依頼作業:Mercedes AMG E63(W212後期モデル)異音低減作業 その②
TORINO CARSのブログをご覧頂きまして誠にありがとう御座います。
この度、和歌山県にお住まいのお客様よりMercedes AMG E63 (W212後期モデル)におけるルーフから発生している異音低減作業をご用命頂きました。
そこで、2回に分けて異音低減作業の様子をご紹介しており、前回はルーフライニングをズラしてルーフパネルを確認するところまでご紹介致しましたが、今回は続きの作業から異音解決までの様子をご紹介致します。
では前回の続きですが、ルーフライニングをズラした状態で試走を行い、ルーフパネルに装着されているブレース周辺から音が出ていることが確認できましたので、対応を考えます。
このブレースは多数のボルトにてルーフにある別の補強部材に固定されており、車体がねじられる様な入力が入ると、このブレースに力が加わることで軋み音が出ていることが予想できます。
従いまして、一番はじめの検証としまして、このブレースを固定している全てのボルトを緩めて走行を行いました。
このブレースに加わる力をフリーにすることで、ブレース本体から音が出ているか確認を行うことができます。
結果は、あれほど大きかった音はピタッと止まり、やはりこのブレース本体からの音であること確認できました。
これで、異音の発生箇所が特定できましたので、あとは解消に向けての作業になりますが、もう一度全てのボルトを締め付けて試走を行いますと、やはり大きな異音が再発してしまいます。
ボルトの締め付けトルク不足を疑い、元々締まっていた状態よりも強いトルクで締め付けてみても、変わらず大きな異音が発生します。
続いては、ボルトを完全に緩めてブレースをフリーにするのではなく、少し緩めた状態で走行を行いますと、今度は異音が明らかに小さくなりました。
予想通り、このブレースに加わる応力に応じて音が出ている様です。
となりますと、このブレースを緩めた状態であれば異音は解決することになりますが、そのような状態ですと車体の剛性が低下するので、その方法は問題の解決にはなりません。
そこで、ブレースを車体側に固定する際に固定位置の微妙な誤差などからブレース本体に既に応力がかかってしまっており、そこに走行に伴う応力が加わることで想定外の変形となり異音が発生しているのではないかと考えました。
従いまして、ボルトによるブレースを締め付け時にブレース本体に加わる応力を少しでも逃がすことができればと考え、車体中心部分から外側に向かって順次ボルトを締めつけて固定を行い、早速試走を行いましたところ・・・
綺麗さっぱりと異音は無くなりました。
確証の無い予測のもとの作業でしたが、どの道を走っても、大きな段差を乗り越えても作業前には発生していた大きな異音は出なくなっており、無事に異音は解消致しました。
作業中はどうしようかと悩みましたが、無事に解消しました時は本当にホッとしました。。。
ということで、異音対策としてはOKですので、あとは外したパーツを元に戻していきます。
全てのパーツを元に戻した状態で改めて試走を行いましたが、異音の発生はありませんでしたので、これにて異音対策作業は無事完了となります。
あとは、車両のお引渡し前に、車両の洗車と内装の清掃を行います。
内装は作業を行いましたので、念入りに清掃を行います。
以上で作業は全て完了となります。
この状態で、いよいよお客様にお引渡しとなりますが、最後の同乗走行では、お客様に異音が解消していることをご確認頂き、大変お喜び頂けました。
『正直なところ異音を治すことができるかは半信半疑でしたが、本当に治っており感動しました』、『これからも大事に乗っていきます』とまで仰って頂きまして、私としましてもお客様のお困り事を解決できましたこと、本当に嬉しい気持ちで御座いました。
以上、今回の作業はいつもの様に配線などによる室内異音とは異質で、難易度の高い作業ではありましたが、無事にお客様のお役に立つことができました。
異音低減作業は必ず解決できるとのお約束ができない作業とはなりますが、本車両の様に車の異音でお困りのお客様におかれましては、解消に向けて最善の努力をさせて頂く所存で御座いますので、まずはお気軽にお問い合わせ頂けましたら幸甚に存じます。
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では、失礼致します。