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オリジナル状態で整備箇所多数 2オーナー程度良好 HONDA BEAT 販売前メンテナンス ブローバイガス確認
TORINO CARSのブログをご覧頂きまして誠にありがとう御座います。
昨日は、先日ご成約のご知らせをさせて頂きました『ECU移設 メーターOH エアコンレトロフィット済 全塗装直後で程度良好 HONDA BEAT』をご納車させて頂きました。
お客様は奈良県にお住まいなのですが、弊社でのご納車をご希望されましたので、弊社ガレージ内にてご納車させて頂きました。
ご納車の際は改めてお客様にもお喜び頂きまして、お客様にとりましても私にとりましても大変良い一日になりました。
ご納車の様子は改めて後日にご紹介予定で御座います。
T様、この度は誠にありがとう御座いました!
さて、先日入庫のお知らせをさせて頂きました『オリジナル状態で整備箇所多数 2オーナー程度良好 HONDA BEAT』ですが、販売前メンテナンスを実施致しましたので、作業の様子を順次ご紹介しております。
前回は点火時期調整、バルブクリアランス調整、アイドリング回転数調整作業の様子をご紹介致しましたが、今回は【ブローバイガス確認編】として、エンジンの健康状態を計り知る為の一要素であるブローバイガスの状態確認とエアクリーナーケース内の清掃、トランクルームの清掃を実施しましたので、その様子をご紹介致します。
※エンジン各種調整の様子はこちら ⇒ BEAT 販売前メンテナンス エンジン関連各種調整
作業のご紹介の前に・・・
弊社では、BEATにおきましてエアクリーナーケース内におけるブローバイガスの状態を必ず確認しております。
ブローバイガスとは、ガソリンが燃焼室内で爆発した際に、シリンダーとピストン、ピストンリングの間から抜け出てくるオイルを含んだガスのことで、調子が良いエンジンでも必ず発生するものですが、ピストンリング破損や固着、ピストン本体のリング溝摩耗、そしてシリンダー壁面の摩耗や傷が進行したエンジンではブローバイガスの量が過度に多くなります。
そして、BEATにおいてはブローバイガスはクランクケースからエンジンヘッドカバーを通りエアクリーナーケース内に入る構造となっている為、エアクリーナーケース内のブローバイガスの吐出状況を確認することによりエンジンの状態をある程度図り知ることが出来ます(ブローバイガス経路は下図参照)。
一概には言えませんが、エアクリーナーケース内部がブローバイガスでドロドロの車両はピストンやピストンリング、シリンダーの状態が芳しくなく、逆にブローバイガスが少ないとそれらのパーツの状態は健全と言えます(ブローバイガスが少ないからと言って必ず状態が良いとは言えませんが、少なくともブローバイガスが過度に多いエンジンは状態が良くないと言えます)。
BEATのエンジンは基本的に非常に耐久性が高く、しっかりメンテナンスを行っていればエンジン本体からのトラブルは問題ありませんが、距離を重ねている車両が多く、高回転を多用する車両で御座いますので、より確実にエンジンの状態を判断し、自信をもってお客様にご案内できる様に、弊社ではBEAT全車両におきましてブローバイガスの確認を行っている次第で御座います。
加えまして、BEATではオイル消費の激しい車両も見受けられますが、弊社では長距離に渡る走行ができないが故にオイル消費量を正確に検証することができませんので、オイル消費にも関係しているブローバイガス状態確認はエンジンの状態を図り知る為の必須な作業と考えております。
では確認作業に入りますが、BEATにおけるエアクリーナーケース内部の確認はトランクルームにあるメンテナンスリッドを外してアクセスすることになりますが、その前にトランクルームの清掃から行います。
清掃を行うにあたっては、隅々まで綺麗にする為に助手席側テールライトカバー、トランクマット、バッテリー、バッテリーケースを取り外してから行います。
この状態でトランクフロアの確認ができますが、本車両はフロアに歪みなどは無く補修歴はありませんし、錆も無く綺麗な状態です。
続いて、清掃に入りますが、特にトランクの端はバッテリーなどを外さないと手が入らないところなので、ホコリを中心に汚れが溜まっておりますので、念入りに清掃します。
清掃方法としては、掃除機と濡れタオルを用いて、エンドパネル側のテールライト部分まで含めて隅々まで綺麗に致します。
これでトランクフロアは隅々まで綺麗になりました。
トランクルームの清掃は完了ですので、続いてブローバイガスの状態を確認する為にエアクリーナーケース内部確認へ移ります。
ボルト4本を緩めて、メンテナンスリッドを取り外すとエアクリーナーケースカバーにアクセス可能となります。
ここで、ヒューエルストレーナーやエキスパンションタンクが綺麗な状態であることが良く見えて、交換されていることがわかります。
また、錆が発生している車両もあるメンテナンスリッド下側パネルも全く錆は無く、綺麗な状態です。
そして、エアクリーナーケースカバーを固定している6本のビスを緩めてエアクリーナーエレメントと共にカバーを取り外しますと、ようやく今回の目的であるエアクリーナーケース内部のブローバイガスの状態を確認することができます。
結果は予想通り、エアクリーナーケース内部に過度な量のブローバイガスの付着は無く、大変綺麗な状態です。
つまりブローバイガス量は問題無く、エンジンの状態は良好であると判断できます。
因みに、ブローバイガスはエンジンヘッドカバーからホースを通って左上端にある箇所から負圧によりケース内に流入し、そのままエンジン内に吸い込まれていくことになりますが、ブローバイガスが過多であると、このエアクリーナーケース内に油分が大量に貯まることになります。
私が以前所有していたBEATにおいてはオイル消費が激しかったのですが、このケース底面にブローバイガスのオイル分が大量に溜まっていた経験があり、ピストンリングはじめ、シリンダーなどのダメージに心を痛めた記憶があります(笑)
本車両に関しては全く問題がございませんので、ご安心下さいませ。
状態に関して確認ができましたので、エアクリーナーケース内部をクリーナーを用いて清掃します。
尚、エアクリーナーケース内部を清掃する目的はブローバイガス吐出状況をお客様でも正確に把握できる様との想いからで御座いますが、この機会に1度清掃しておくと次回にお客様が確認する際にブローバイガスの吐出状況を正確に確認できる様になります。
これで今回のメインの目的であるブローバイガスの状態確認は完了致しましたので、続いては、カバーと一緒に外したエアクリーナーエレメントの状態確認です。
40,000km毎の交換が指定ですが、少し汚れが進んでおりますので、今回はエアクリーナーエレメントを新品に交換することに致します。
エアクリーナーエレメントに関しては、交換が必要なほど汚れが進んでいる場合はメンテナンスの一環として無償で交換を行っております。
以上で、各確認作業が終了致しましたのでエアクリーナーケースカバーを元に戻しますが、元に戻す前にカバーも清掃しておきます。
そして新品のエアクリーナーエレメントをカバーにはめ込み・・・
エレメントのパッキンを噛み込まない様に注意しながらエアクリーナーカバー元に戻します。
このカバーの締め付けも隙間ができない様に中心から外側にかけて締め込んでいくなどちょっとした心遣いが重要です。
あとは、メンテナンスリッドを元に戻してトランクルーム内のパーツを元に戻しますが、その前にバッテリーケースやカーペット、テールライトカバーを清掃しておきます。
加えて、最後のひと手間で、車両側のバッテリープラス端子ハーネスのビニールテープにほころびが見られましたので、交換しておきました。
これにて清掃もOKですので、バッテリーケース、カーペット、テールライトカバー、バッテリー本体を車両に搭載すれば今回の作業は全て完了となります。
ちなみに、本車両にはソフトトップカバーとツールバックが付属しますので、トランクルームに戻しておきます。
以上、エアクリーナーケース内部のブローバイガス吐出状況を確認し、問題無いことを確認できましたので、実走による音やフィーリングなどから併せて判断しましても状態の良いエンジンであると改めて確認できました。
更に、前回にご紹介致しました点火時期調整やバルブクリアランスの調整も相まって、本当に静かに滑らかにエンジンが回転していることが伝わってくるフィーリングが気持ち良いです。
お客様におかれましてはBEATの魅力の一つでもある、レスポンスが良く、爽快に吹け上るエンジンを安心して高回転まで回して頂きまして、気持ち良いドライブを安心してお楽しみ頂けるかと存けるかと存じます。
加えまして、今回トランクルームも隅々まで綺麗に致しましたので、清潔感のある状態でご所有頂けるかと存じます。
ということで、3回に渡りエンジン関連の確認、調整作業の様子をご紹介して参りましたが、次回はこのBEATおける販売前メンテナンス最後となります、【足廻り状態確認編】として、サスペンション等のシャシー部品や足廻りのゴム部品の状態確認及び清掃作業を行った際の様子をご紹介致します。
では、失礼致します。