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希少なオリジナル状態 M.TEC.サージョン様によるOH歴あり HONDA BEAT 販売前メンテナンス エンジンルーム状態確認
TORINO CARSのブログをご覧頂きまして誠にありがとう御座います。
先日、ご成約のお知らせを致しました『希少なオリジナル状態 M.TEC.サージョン様によるOH歴あり HONDA BEAT』におきまして、販売前メンテナンスを進めておりますので、作業の様子をシリーズでご紹介しております。
前回は内装清掃の様子をご紹介致しましたが、今回は【エンジンルーム状態確認・清掃編】として、エンジンルームのチェック及び清掃、プラグ確認、点火時期確認、アクセルワイヤー調整の様子をご紹介致します。
※内装清掃の様子はこちら ⇒ HONDA BEAT 販売前メンテナンス内装清掃
では、早速エンジンルームの確認に入りますが、まずはスクリーンのファスナーを外し、幌後部の固定ボルトを6本を外して幌とスクリーンをめくります。
そして、マットを車外に出しますとメンテナンスリッドが現れます。
ホコリや少しの汚れはありますが、錆などは無く綺麗な状態です。
エンジンルームの確認の為にメンテナンスリッドを外す前に、この状態でリアトレイ廻りを隅々まで清掃を行います。
まずはメンテナンスリッド上で汚れが溜まり易い室内側の奥を清掃を致します。
が・・・
ん?シートベルトアウタータング側面の固定ボルトがちゃんと固定されていません。。。
本車両はディーラー様にて燃料タンクやポンプなどを交換されているのですが、その交換の際の固定ミスだと考えられます。
安全に関わる部分ですので、お客様にご納車前に気付いて良かったです。
清掃の後に、しっかりと規定トルクで締め付けておきました。
助手席側も清掃します。
通常は、この部分には汚れが多く溜まっているものですが、本車両の汚れは清掃前でも大変少ないです。
更に綺麗にしておきました。
これでメンテナンスリッド周辺が綺麗になりましたので、メンテナンスリッドを固定している4本のノブを緩めて車外に出して、ようやくエンジンルーム内の確認と清掃となります。
上の写真は清掃前ですが、清掃前でも随分綺麗な状態であることがわかります。
さすがメンテナンス済み車両です。
エンジンマウントブラケットやヒューエルレギュレター等の各部鉄部品の錆も軽微です。
そして、ヘッドカバーなどからオイル漏れ、滲みが無いか、エアコンベルトやジェネレーターベルトの状態、張りは問題無いか等、全体的にチェックが完了しましたら、エンジンルーム内の清掃を行って参りますが、手の届く範囲を、硬く絞った濡れタオルで奥の方まで丁寧に清掃を行っていきます。
元々綺麗なエンジンルームでありましたが、更に綺麗になりました。
これで、エンジンルーム内の清掃は完了ですので、続いてスパークプラグの点検に移ります。
プラグは、焼け色や状態を確認することで、燃焼室内部の異常や、インジェクターのトラブルなどを発見することができる重要なバロメーターであり、摩耗状態などを見ることで今後のメンテナンス情報として役に立ちます。
本車両のプラグはNGKの6番イリジウムプラグが装着されておりましたが、3本共に焼け色は良好であり、大変綺麗なことからエンジンの燃焼状態が良好であることが伺えます。
プラグ本体も中心電極、側方電極の摩耗も問題ありませんが、写真をお客様に送付させて頂きましてご相談させて頂きましたところ、交換をご希望されましたので、一旦プラグを元に戻し、ご納車前整備の際に改めて新品のイリジウムプラグに交換をすることにします。
続いては、アクセルワイヤーの張りを調整します。
本車両はアクセルペダルの遊び量も他の車両よりも少なかったですが(こういったところまでメンテナンスされていた様です)、改めてアクセルワイヤーの張りを調整し、BEATが本来持つレスポンシブルなアクセルワークを味わうことが出来る様に致します。
アクセルワイヤーの遊び調整は、お客様でも容易に行うことのできる簡単な作業で、アクセルを踏んだ際の印象が良好になるので、おすすめのメンテナンスです。
そして、最後にタイミングライトを用いてエンジン点火時期の確認を行います。
この点火時期というのは、良い燃焼を行い、エンジンが本来持つエンジンパワーを引き出す為の大変重要なファクターです。
点火時期が早すぎるとエンジンに重大な損傷を及ぼす『ノッキング』という異常燃焼を起こしてしまいますし、逆に遅すぎるとしっかり燃料が燃えずパワーダウンが起こってしまいますので、メーカーにおける開発ではノッキングテストなどの膨大なテストを行い、安全マージンなども考慮しながら最適な点火時期を設定しています。
BEATにおいては、点火方法がデストリビューターを用いたものですので、点火時期を容易に調整ができますが、裏を返しますとデストリビューターの交換の際などには簡単にズレてしまうとも言えます。
従いまして、本車両において、その点火時期が適切なところとなっているかを確認致します。
点火時期の確認はミッションケース上部にある窓からとなりますが、確認方法としては、各補正が入らないエンジンを十分に暖めた状態でサービスカプラを短絡させて、タイミングライトを用いて確認を行います。
ミッションケースから出ている針と、フライホイールの赤線目印が一致していれば規定の点火時期となりますが、ご覧の様にぴったりと一致しており、バッチリ規定の点火時期となっていることが確認できました。
本車両のエンジンが非常に滑らかに力強く回ってくれるのは、こういった調整部分もしっかり規定値になっているからこそなのです。
以上で、本BEATにおけるエンジンルーム内の確認及び清掃は終了ですので、メンテナンスリッドを元に戻して4本のノブにて固定し、清掃をしておきましたトランクマットを敷いていきます。
あとは幌を固定している6本のビスを取り付けですが、取り付ける前にひと手間加えます。
細かいところですが、ビスに少し劣化が見られますので純正と同じ黒色に塗装を致します。
そして、しっかりと塗料を乾かしましたらビスを固定して一連の作業は完了です。
ビスなど細かい部分もチリも積もれば・・・ではないですが、極力綺麗な状態にしてご納車をさせて頂きます。
以上、エンジンルーム内の状態やプラグや補器類の状態確認、点火時期確認、そして清掃を行って参りましたが、本車両におけるエンジンルーム内の各部状態が非常に良好であることが確認できました。
さすがしっかりとメンテナンスされている車両であることがエンジンルームからも改めて改めて伺えるもので、今後も調子が良い状態で安心してお乗り頂けるかと存じます。
次回は同じエンジン関連である【エアクリーナーケース確認編】として、エンジンの健康状態を計り知る為の一要素であるエアクリーナーケース内のブローバイガスの状態確認及びエアクリーナーエレメントの状態確認を実施致しましたのでその様子をご紹介致します。
では、失礼致します。