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ご依頼作業:LEXUS LS600h(UVF45後期モデル) 室内異音低減作業 その①
TORINO CARSのブログをご覧頂きまして誠にありがとう御座います。
少し作業から時間が経ってしまいましたが、この度、LEXUS LS600h(UVF45後期モデル)にお乗りのお客様より、走行中の助手席側リアドア周辺から発生する異音(ピチピチ音)に関してお困りとのことでご相談を頂きまして、異音低減作業をさせて頂くこととなりました。
この度も、遠方である三重県の伊勢市からご来店頂きましての作業ご依頼であり、本当にありがとう御座います。
ご来店前にメールにてご相談を頂いておりましたが、お客様は本車両をご購入後まもなく助手席側リア周辺からの異音に大変お困りになられておりました様で、ディーラー様に何度か入庫して対策を行って頂いたものの異音の解消までは至らず、この度弊社にご相談を頂きましてご入庫頂いた次第で御座います。
そして、ご入庫当日にお客様と共に異音の確認させて頂きましたところ、以下の箇所から異音が発生していることが確認できました。
①助手席側リアドア ⇒ お客様のお困り事象
②運転席側リアドア
③運転席フロントドア
④助手席ダッシュボード足元
⑤ダッシュボードセンタークラスター部分
さすがLEXUSの最上級車種で、更にグレードがハイブリッドモデルのLS600hですので、車内が本当に静かで、全体的な騒音レベルが非常に低く、かえって小さな異音が気になってしまいます。。。
とは言え、音の音量の大小は関係無く、異音は気になるものですので、上記箇所の異音低減作業を順に行うこととなりましたが、その作業の様子を3回に渡りご紹介して参ります。
今回はその①としてお客様のお困り箇所でありました助手席側リアドア及び運転席側リアドアにおける異音低減作業の様子ご紹介致します。
助手席リアドア周辺からの異音は下面から側面において発生しており、段差での異音では無く、路面のウネリを通過した様な際に『ピチピチ』と不快な音が発生しておりました。
更に、上記ピチピチ音に加え、弊社の出入り口の傾斜を通過する様な際に稀に『コッコッ』という音も発生していることも確認できました。
その事象から、何かが遊んでいるのでは無く、車体の変形等の動きが加わった際に音が出ていることが予想されますので、まずはウェザーストリップが怪しいと考え、ウェザーストリップの脱脂をしたり、給油をしたりしましたが、一向に改善せず。
そこで、ウェザーストリップを外して確認することにしましたが、この車両はウェザーストリップを外すには座席横のガーニッシュも外さないといけないので、サイドシルガーニッシュから順に外していきます。
そして、ウェザーストリップを取り外すと、ウェザーストリップはボディーの合わせ面ミミの部分に金属クリップを介して固定されており、このミミの部分にブチルの様な非常に粘度の高いものが塗布されておりました。
そして、固定している金属クリップを付けたり外したりすると、異音と同じ音である『ピチピチ』という音がしますので、恐らくこの部分から異音がしていたことが予想できます。
そこで・・・
このブチルの様なものは、パネル合わせ面の錆止め、もしくは合わせ面の異音防止の為と考えられるので、金属クリップが接する側面部分のみこのブチルを取り除きました。
更に、念のために、金属クリップが接する部分に不織布を貼り付けます。
あとは、ウェザーストリップを戻しますが、その前に、リア席側面にリアのドラレコの配線が通っており、異音処理されておりませんでしたので、念のためこのドラレコ配線も異音低減処理を行いました。
TESAテープと各部固定で配線からは音が絶対に出ない様にします。
これで配線処理もOKですので、ウェザーストリップを元に戻し、ガーニッシュを取り付けて試走を行いましたら・・・
無事にピチピチ音は解消です!
これでお客様のお困りであった音は無事解消しましたものの、まだ段差を乗り越える際にドアライニング下面から『コッコッ』という音が稀にでておりますので、続いてはドアライニングの処理に入ります。
ドアライニングの外側にガーニッシュがあり、その部分がウェザーストリップと当たる構造となっているのですが、このガーニッシュを車体の変形による圧力を模して手で強く押さえると走行中と同じような『コッコッ』という音がしておりますので、この部分からの音で間違い無いと判断しました。
そこで、ドアライニングを浮かしてガーニッシュを取り外し、ドアパネルと接している部分に不織布で張り付け、音が出ない様にします。
そして、ガーニッシュとドアライニングを元に戻して試走を行いましたところ・・・
この部分からの異音も解消致しました!
いつもながらホッとする瞬間です。
これで、お客様がずっとお困りであり、異音を訴えておられました助手席側リアドアからの異音は完全に解消致しましたが、位置の関係で聞こえにくいものの、運転席側リアドアからも同様の音が出ておりますので、助手席側と同様の処理を行いました。
構造が同じですから、音が出てあたりまえですよね。
やはりブチルが塗布されているので取り除き、金属クリップ部分に不織布を貼り付けます。
また、ドアライニング側も助手席側と同様の処理を行いました。
そして、全て元に戻して試走を行いましたところ、無事にリアドアからの異音は消えており、リアにおける異音低減作業は完了です。
こうやってブログに記載するとあっさり簡単に解消している様に思えますが、実際の作業は時間がかかり、色々泥臭い試行錯誤もあって想像以上に大変なんです。
以上、この度お客様からご依頼頂きました異音箇所であるリアドアにおける異音低減作業は完了となりますが、まだ運転席フロントドアや助手席ダッシュボード足元、そしてダッシュボードセンターコンソールからも異音で出ておりますので、この後順次作業を行って参ります。
次回、続きの作業である運転席フロントドアと助手席ダッシュボード足元の異音低減作業の様子をご紹介致します。
では、失礼致します。